閉校のあいさつ
柊は枯れず
東京都立北園高等学校長 ・
福本雄吉 . 東京都立北園高等学校定時制課程は、昭和12年に東京府立第九中学校夜間中学校として開設されて以来、65 年の長きにわたって有為な人材を育成し、社会に送り出して参りました。しかし、都立高校改革推進計画に基づき、本校は平成15年3月をもって定時制教育の使命を終えることになりました。 本校は、東京府立第九中学校夜間中学として開設されたあと、時代の流れの中で昭和16年に東京府立尚道中学校、昭和18年に束京府立第九中学校二部、昭和21年に東京都立第二十四中学校二部、昭和23年に東京都立第九新制高等学校定時制課程、同じ昭和23年に東京都立第九新制高等学校滝野川分校定時制課程、昭和25年に東京都立北園高等学校定時制課程と校名を変更され、現在に至っています。. この間、勤労学生に対して後期中等教育の機会を保障し、将来の我が国を背負って立つ有為な人材を育成し、知・徳・体のバランスのとれた良識ある人物の育成に尽力して参りました。その後、勤労青少年のみならず、全日制課程の中退者や不登校経験者などにかかわる青少年の教育にも大きな役割を担って参りました。
本校は教育目標に次の四つを掲げ、精力的に教育活動を展開して参りました。
- 合理性=自然や社会を科学的に考察し、合理的判断を下し、正義と真理を愛する個性と創造性豊かな人
間を育成する。 - 自主性=自ら学び考えて行動でき、自由と責任を重んじる人間を育成する。
- 積極性=社会の一員としての自覚を持ち、社会に貢献する情熱を培う。
- 協調性=自他の自由を尊び、互いの人格を尊重する協調的態度を養う。
この教育目標に基づいた教育活動の成果は、卒業生の社会貢献や活躍等に現れており、卒業生一人一人の心の中に刻み込まれ、さらに発展していくことを確信しております。
こうした六千二百名余りの卒業生を誇る本校が、今年度の卒業生を最後に歴史的使命を終えることは、誠に寂しく残念なことです。しかし、これまでの本校の輝かしい実績と伝統は決して消えるものではありません。 本校のシンポルである柊のように、枯れることはありません。
「時世の色はうつろへど ここ北園の学舎に 柊の葉はみどりなり 柊の葉はみどりなり」
柊は枯れず。北園高校定時制課程で灯したものは、卒業生一人一人の心の中にいつまでも生き続けるものと思います。
最後に、本校の教育の充実、発展にご尽力いただきました歴代校長先生や教職員をはじめ多くの関係者の皆様に心から感謝申し上げます。また、PTA、同窓会、地域の皆様方の今日までの変わらぬご支援ご厚情に深く感謝し、厚く御礼申し上げまして、閉校のご挨拶といたします。